オイルフィラーキャップに付着した白い個体の正体は?オイルの乳化は何故起こる?弊害は?

エンジンオイルの交換をオーダーされて、たまに見かけるのがこの状態。

オイルフィラーキャップを開けてみると、裏にべっとりと白い物体が付着しています。

白い白濁化した反固形物。クリーム状の白いものです。

初めて見たとき、???と意味が分かりませんでした。この白い個体を調べていくと、発生する原因やその弊害などがわかりました。

オイルフィラーキャップに付着する白いものは乳化現象

オイルフィラーキャップに付着する白い物体の正体は何か?これはオイルの乳化現象です。

乳化という現象は何故起こるのか?これは、オイルの中に水分が混入することで生成されるものです。ここで疑問がわいてきます。エンジンの中に水が混入する?エンジンって密閉されているんじゃないの?と。

エンジン内部に水が混入する原因は二通りあります。まずは内部で生成されてしまうケースです。エンジンは空気と燃料を混ぜて爆発させ動力を得ています。

吸入する空気の中には、若干の水分が含まれています。これがエンジン内部に少しずつ蓄積されていく。

ただ、水分なのでエンジンが完全暖機で稼働すれば、そのほとんどが蒸発します。

この為、オイルの乳化を促してしまう使い方は、いわゆるチョイ乗りが多い人になります。

エンジンのブローバイガスからの不純物や、結露などの水分が混じっていくとこのような白い固形物を生成していきます。エンジンによっても生成されやすいエンジンが多いです。

エンジンが暖機終了する前に停止する。それを繰り返す使い方。シビアコンディションにも該当します。

続いてエンジン内部に水が混入する原因は、単純に各部から水が侵入してしまう場合。この写真を撮った時、エンジンのフィラーキャップが緩んでいました。

フィラーキャップが緩んでいると、そこから水分が混入しやすくなります。一部車種などはヘッドカバーの形状が悪く、冬場にブローバイが凍り付いてオイルを吹き出してしまう車もあります。

オイルの乳化は取り扱い説明書にも記載がある

車によっては、説明書等に記載されていることもあります。オイルフィラーに白い付着物がついてくることがありますが、異常ではありませんといった感じです。それほど神経質にならなくてもいい所もあります。

どうしても乳化物質がオイルフィラーキャップに溜まりやすいエンジンもあります。

スバルのEN07などのエンジンでは乳化が多く確認できました。プレオとかステラですね。抜いたオイルはどうだったのかというと、それほど全体に乳化が進んでいなく、粘度も適度に保っているものが殆どでした。

ある程度の乳化はメーカーでも説明書に書いてあるので、問題はないということです。

乳化したオイルがエンジンに与える弊害は?

乳化したエンジンオイルがエンジンに与える弊害は何か?これはもう潤滑能力の低下が挙げられます。

問題なのは、オイルフィラーキャップに乳化が付着するだけではなくて、レベルゲージを抜いた時にゲージ側にも乳化が確認できた時。

こうなっていると、オイルパンに溜まってるオイルが希釈されている可能性が高いので、早めの交換をしないとエンジンによくないです。

今のクリーンディーゼルでは燃料希釈でオイルが劣化するのを気にするのと同じような状態です。

オイルがきちんとエンジン内部を潤滑出来ない状態にあるので、早めの交換をしてください。

オイルの乳化をまとめると

オイルの乳化をざっとまとめてみます。

・オイルの乳化は水分と混ざり合って生成される

・取り扱い説明書にも記載があり、軽微なものであれば問題はなし

・レベルゲージを抜いて、オイルが白っぽくなっていたら、即交換すること

・チョイ乗りを繰り返すと、オイルが乳化しやすくなる

エンジンは暖機されて100パーセントの性能を発揮するようにクリアランスが設定されています。冷感時のまま使っていると、ピストンの膨張もまだ甘く、クランクケースよりブローバイが生成されやすくなってきます。そういったものが積み重なってこのような白い固形物を生成していきます。

あとオイルの添加剤によっても左右されることがあります。流動点降下剤の添加剤がよく添加されていないオイルがそうです。流動点降下剤はオイルが冷却された後オイルに含まれるろう分が結晶化するのを抑える働きがあります。

エンジンはある程度は暖めた後に止めましょう。そしてオイルのグレードはきちんとしたものを使用し、正しいスパンでの交換をすれば問題はないでしょう。

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