走行中タイヤが飛んでいかないように!タイヤ交換の注意点を今一度見直そう

いよいよタイヤ交換の時期になりました。タイヤ交換って、自分で交換する人もいます。交換作業は慣れれば簡単だ!と思ってる人もいるかもしれません。

しかし、整備士になって何台ものタイヤを交換していくと、いろんな出来事に遭遇します。今一度、タイヤ交換の重要点を再確認してみたいと思います。

タイヤ交換は必ずトルクレンチを使うべし!

タイヤ交換時にできる限り実践してもらいたいのが、トルクレンチを使うということ。トルクレンチというのは、決まった強さでネジを締めるとレンチが教えてくれる工具です。

トルクレンチを使う最大の理由は、きちんとした力でタイヤのネジを締めること。タイヤを締め付けているホイールナットは強すぎても弱すぎてもだめです。

ネジの締めすぎが弱いと、当然緩んだり脱落したりします。逆にネジの締め付けが強すぎると、ホイールやネジに負担がかかる。最悪折損する可能性もあります。

タイヤ交換の基本はトルクレンチを使ってネジを締めること。3000円ちょっとで買うことができるので長い目で見ると購入することをお勧めします。

ホイールナットに変なものを塗らない

タイヤ交換をするときって、ネジが渋いといった理由で潤滑剤を塗って締める人がいます。これはあまりお勧めできません。

というのも、潤滑剤の中でモリブデンなどが配合されているものを塗布すると、規定トルクで締め付けたとしても、いくらでも締まってしまいます。トルクレンチを惑わしてしまうのが潤滑剤です。

ちゃんとしたネジ山であれば、潤滑剤はまったく必要ありません。手でくるくると回っていきます。ネジ山が錆びて回りにくくなるようでしたら、ホイールナットを袋タイプにするなどしてネジ山を保護しましょう。

ネジ山に潤滑剤を塗布するよりもお勧めなのがパーツクリーナーでネジ山を清掃すること。

これもホイールを外した直後ですが、アルミの鉄粉などがネジ山についているのがわかります。こういった鉄粉をそのままにホイールナットを締め付けると、ネジ山を傷つけてしまいます。

ネジ山はきれいに清掃。ホイールとハブの結合部分も錆びなどがあったら掃除してから取り付けることをお勧めします。

装着後100km走ったら増し締めを!

タイヤ交換をした後、増し締めをしている人はほとんどいません。お店などでタイヤ交換をしてもらったとして、ほぼそのままでしょう。

これ、ちょっと危ないのです。実際にやってみればわかりますが、タイヤ交換をしたら100km程度走った後に増し締めをしないと危険です。

ちゃんと規定トルクで締め付けたとしても、ネジって完璧なものではありません。100km程度走行したらもう一度トルクレンチで締め付けてください。

僕も自分の車をタイヤ交換したら、しばらくして再度トルクレンチをあてがいます。すると・・・締まるんです。怖いでしょう。

どんなに完璧な作業をしたとしても、走行中の振動を受けてネジが緩む可能性があります。できれば高速道路に乗る前などはトルクレンチをあてる癖をつけるといいでしょう。

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「家の車を3台タイヤ交換してきたんだ!」

というお客さんが来ましたが、変な音がするから見てほしいと依頼がありました。なんとホイールナットが緩んでいたんです。しかも手で回るくらい緩んでいました。

その人には何故緩むのか?どうすればいいのかを教えておきました。まずはトルクレンチ。そしてしばらく走ったら再度締め付けを確認。これを癖にすること。これだけで安全度が抜群にあがります。

タイヤって命を乗せて走る部品です。軽視してはいけません。タイヤ交換はブレーキの交換と同じかそれ以上に気を使って行いましょう。