第3世代e-POWERがついにアメリカへ!新型ローグは日本生産、日産再建の切り札になれるか?

日産のe-POWERが、ついにアメリカへ渡ります。社長が交代してから、話題に上がることが増えてきましたね。エルグランドから始まり、スカイラインも出てくると。

日産は2026年9月21日、米国向けの新型「ローグ ハイブリッド」を発表しました。

ローグは、日本で販売されているエクストレイルに相当する北米日産の主力SUVです。

今回の注目点は、単にローグへハイブリッドが追加されたことではありません。

搭載されるのは、米国市場へ初めて投入される第3世代e-POWER。そして車両はアメリカで生産するのではなく、日産自動車九州で生産し、米国へ輸出されます。

日産が今後どこまで立て直せるのか。

その答えを左右する一台になるかもしれません。

2026年秋に米国で発売

新型ローグ ハイブリッドは、2026年秋に「SR AWD+Technology Package」から先行発売されます。価格は4万1,490ドルです。

その後、2027年初頭にラインナップを拡大します。

  • SV AWD:3万5,490ドル
  • SV Premium:3万7,590ドル
  • SR AWD:3万7,490ドル
  • SR Technology Package:4万1,490ドル
  • Platinum AWD:4万3,490ドル

全グレードに前後2つのモーターを使ったAWDシステム「e-4ORCE」を標準装備します。

システム最高出力は225馬力。日産の社内測定値では、市街地40mpg、高速道路36mpg、複合38mpgを見込んでいます。

燃費だけでなく、アメリカの道路事情や使われ方に合わせて出力特性も調整されているようです。

e-POWERはエンジンでタイヤを回さない

一般的なハイブリッド車では、状況に応じてエンジンとモーターの両方がタイヤを駡動します。

それに対してe-POWERは、エンジンを基本的に発電専用として使い、タイヤは100%モーターで駆動します。

運転感覚が電気自動車に近いのはこのためです。

アクセルを踏んだ瞬間からモーターのトルクが立ち上がり、変速によるショックもありません。

充電設備を必要とせず、ガソリンを給油すれば走り続けられる。この仕組みは充電環境が地域によって大きく異なる北米とも相性がよいはずです。

第3世代e-POWERは何が変わったのか?

第3世代e-POWERでは、発電専用に新設計された1.5Lターボエンジンを搭載します。

熱効率は42%とされ、従来より効率よく電気を作れるようになりました。

さらに大きな変更が「5-in-1」と呼ばれる電動ユニットです。

これまで分かれていたモーター、インバーター、発電機、減速機、増速機を一体化しています。

部品を一つのケースへまとめることで剛性や組み付け精度が向上し、振動や騒音を抑えられます。部品の共通化によるコスト低減も狙われています。

e-POWERは、エンジンを積んでいる以上、エンジン音から完全には逃れられません。

加速したい場面でエンジン回転が上がり、車速とエンジン音が一致しない。ここを違和感として指摘する人もいました。

第3世代では発電用エンジンと電動ユニットの両方を見直し、燃費だけでなく静粛性も改善しています。

日本のエクストレイルは第2世代e-POWER

現在、日本で販売されているエクストレイルは、第2世代e-POWERとVCターボエンジンの組み合わせです。

VCターボは、運転状況に合わせて圧縮比を変化させられる高度なエンジンです。

一方、新型ローグの第3世代e-POWERでは、発電することに特化した専用エンジンを採用しています。

さまざまな回転域や負荷でタイヤを駆動する必要がある通常のエンジンと違い、発電に適した領域を中心に使えるのがe-POWERの強みです。

第2世代から第3世代への進化は、単にモーターの出力を上げただけではありません。

エンジン、発電機、モーター、インバーター、減速機を含め、システム全体を一から見直したものです。

なぜ日本の九州工場で生産するのか?

北米の主力車なら、現地生産したほうが輸送費や関税の面で有利に思えます。

それでも新型ローグ ハイブリッドは、日産自動車九州で生産されます。

新しいe-POWERの品質を安定させながら立ち上げるため、電動車の生産経験を持つ日本の工場が選ばれたと考えられます。

ただし、日本から輸出する以上、為替や関税、輸送費の影響を受けます。

日本生産は品質面で強みになりますが、北米で価格競争が激しくなれば弱点にもなり得ます。

まず日本で生産して市場へ投入し、販売が軌道に乗った段階で現地生産を検討する可能性もありそうです。

日産再建の切り札になれるか?

日産は2030年度までに、米国で年間100万台を販売する目標を掲げています。

その中心へ投入されるのが、北米の主力SUVであるローグです。

これまでe-POWERは世界68市場で展開され、累計販売は約200万台に達しています。しかし、自動車市場として非常に大きいアメリカには導入されていませんでした。

アメリカではEVの販売が想定ほど伸びない一方、充電を必要としないハイブリッド車への需要が高まっています。

このタイミングで第3世代e-POWERを投入する判断は、かなり現実的です。

ただし、ローグはトヨタRAV4やホンダCR-Vといった強力なライバルと競合します。

燃費、価格、耐久性、整備性、そして中古車になったときの信頼性まで評価されなければ、米国市場で成功したとはいえません。

第3世代e-POWERの日本投入にも期待

日産は、今回の発表で第3世代e-POWERを日本のエクストレイルへ搭載するとは明らかにしていません。

しかし、北米向けローグを日産自動車九州で生産する以上、日本向けモデルへ技術を展開できる土台はあります。

次期エクストレイルだけでなく、セレナや今後登場する電動車へ、どのように採用されていくのかも注目です。

整備士として気になるのは、5-in-1化された電動ユニットの修理方法です。

一体化によって故障率や製造コストを下げられる一方、不具合が起きたときに内部部品だけを交換できるのか、それともユニット交換になるのか。

長期使用時の耐久性や修理費については、実際に台数が増えてから評価する必要があります。

第3世代e-POWERを搭載し、日本で生産してアメリカへ輸出する新型ローグ。

これは新しいSUVが一台追加されたというだけの話ではありません。

日産が得意としてきたe-POWERを世界の主力市場で勝負させる、本格的な一歩です。

新型ローグは日産再建の切り札になれるのか。

2026年秋から始まるアメリカでの評価に注目です。

整備士25年目にして、本を出しました!今までの整備についていろいろ書いているのでぜひ読んでみてください。

整備士25年で見てきた 車を壊す人・長持ちさせる人

シェアする

フォローする