
エンジンオイルは何kmで交換するのが正解なのか?
3,000km、5,000km、それともメーカー指定の15,000km?
車が好きな人なら、一度は考えたことがあるテーマだと思います。
今回、このエンジンオイル交換をテーマにした電子書籍を制作しました。
タイトルは『整備士のオイル交換事情』。
副題は「なぜ僕は『半年・3,000km』で交換してきたのか」です。
僕自身の愛車遍歴と、25年間の整備現場で経験してきたことをもとに、オイル交換について振り返った一冊です。
僕が3,000kmで交換するようになった理由
そもそも僕がオイル交換を3,000kmで行うようになったのは、整備士になる前のことでした。

父親が車好きで、いわゆるプライベーターだったんです。
エンジンオイル交換はもちろん、タイミングベルトやサーモスタットの交換など、かなりの整備を自宅で行っていました。
そんな父親から、小さい頃から言われてきたのが、
「エンジンオイルは3,000kmで交換しろ!」
という言葉でした。
父親は仕事で東京と長野を頻繁に往復していて、日産ラルゴを38万kmまで乗りました。
そんな姿を見て育ったので、僕にとって3,000km交換は当たり前だったんです。
歴代の愛車で試してきたオイル交換
最初に乗った4サイクルのバイクは、カワサキのゼファーχ。

当時はバイクしか移動手段がなく、3,000kmなんてあっという間でした。
オイル代が高くて困っていた頃、ガソリンスタンドの先輩に四輪車用のオイルでもいいと教えられ、ホームセンターで4L缶を買ってきたこともあります。
今考えると、湿式クラッチとの相性を考慮していない、なかなか危うい使い方でした。
その後、RX-7 FD3Sに乗るようになると、オイル選びそのものが趣味になりました。
RE雨宮、BP、カストロール、BE-UPなど、いろいろなオイルを試しました。
100%化学合成油を使い、3,000kmごとに交換する。
あの頃はオイル缶一つに1万円以上かけることも珍しくありませんでした。
しかし、8万円で買ったFC3Sでは、整備工場の社員価格で鉱物油の10W-30を使うようになりました。
高級オイルにお金を使うより、ガソリン代や必要な修理に回したかったんです。
カプチーノでも、最初は100%化学合成油を使っていましたが、住宅ローンを組んでからはドラム缶オイルへ変更しました。
こうして僕のオイル交換事情は、生活環境とともに変わっていきました。
一般ユーザーは2年に1回という人も多い
一方、25年間の整備現場では、まったく違う現実を見てきました。

車検から車検まで整備工場に入庫しない人の場合、エンジンオイルを交換するのは2年に1回というケースも珍しくありません。
それでエンジンが壊れるのか?
実は、すぐに不具合が出る車はほとんどありませんでした。
日本車のエンジンは本当に頑丈だと思います。
ただし、オイル管理の不良によってエンジンを壊した車も見てきました。
メタルを傷めてエンジンを載せ替えた初代ヴォクシー。
オイル消費が激しくなり、打音がひどくなったKFエンジン。
走行中にエンジンが破損し、シリンダーブロックを突き破ってしまったエブリイ。
そうした実例を経験すると、やはりオイル管理は大切だと感じます。
20万km走るリース車のオイル交換事情
本書では、リース車のオイル交換事情についても書いています。

リース車は、契約やメーカー指定の交換サイクルに沿って管理されます。
僕が担当してきた車では、走行距離が10万km、15万kmと伸びても、それだけを理由に交換サイクルを短縮するルールはありませんでした。
それでも、20万km程度まで問題なく走り切る車が多かったんです。
オイル交換時期が長いからといって、必ずエンジンが壊れるわけではない。
このあたりが、エンジンオイル交換の奥深いところだと思います。
整備士を退職した僕が、交換時期を見直した
そして現在。

僕は25年間勤めた自動車整備業界を離れ、自分の車のオイル交換についても少し考え方を変えました。
現在、家にあるのは現行シエンタ、初代アクア、アトレーターボの3台です。
シエンタは3,000〜5,000km程度、アクアは5,000〜7,500km程度を検討しながら、車種ごとの指定時期と使用条件も確認して管理する方針です。
オイル消費のあるアトレーは、量をこまめに確認しながら早めに交換することを重視しています。
また、昔は毎回交換していたオイルフィルターも、現在は基本的にオイル交換2回につき1回にしています。
退職して社員価格で交換できなくなったという経済的な事情もありますが、まだ使えるものは使うという考え方も強くなりました。
ただ早く交換するのではなく、必要なメンテナンスを見極めていきたいと思っています。
電子書籍『整備士のオイル交換事情』
今回の本には、僕が実際に乗ってきたFD3S、FC3S、カプチーノ、バモス、ステップワゴン、シエンタなどの写真を収録しました。
さらに、エンジン交換を行ったヴォクシーの修理写真や、リース車のエンジン内部、オイルフィルター交換の様子など、実際の整備写真を合計27枚掲載しています。
ネットで調べれば、メーカー指定のオイル交換時期は簡単にわかります。
しかし、整備士が自分の車にどんなオイルを入れ、どのくらいで交換してきたのか。そして、一般のお客さんの車が実際にどのような状態だったのか。
そうした話は、なかなか知る機会がないと思います。
この本は、3,000km交換が絶対に正しいと主張するためのものではありません。
車の使い方、走行距離、エンジンの状態、そして生活環境によって、適切なオイル管理は変わってくる。
それが、25年間整備士として働いてきた僕の考えです。
車好きの方はもちろん、オイル交換の時期に悩んでいる方にも読んでもらえたらうれしいです。

ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
