車を修理に出したらドラレコの電源が抜かれていた!整備工場は何を隠したかったのか?

近所の人から、こんな相談を受けました。

「車を修理に出したんだけど、戻ってきたらドライブレコーダーの電源が抜かれていたんだよ」

詳しく聞くと、修理へ出す前までは普通に作動していたそうです。

ところが、車が戻ってきてから走り出しても、ドライブレコーダーの画面が点灯しません。

本体が壊れたのかと思って確認したところ、電源コードが抜かれていました。

本人が抜いた覚えはありません。

そうなると、車を預けていた整備工場で外された可能性が高くなります。

「整備工場で、何か見られたくないことでもしていたのかな?」

そう聞かれました。

確かに、何も説明されないままドライブレコーダーの電源が抜かれていたら、不審に思うのも無理はありません。

うちの会社では基本的に触らない

僕が働いていた会社では、お客さんのドライブレコーダーを理由なく停止させることは基本的にありませんでした。

整備で車を預かれば、工場内で車を移動します。

修理前の症状を確認するために試運転することもあります。

修理後、本当に直ったかを確認するため、もう一度走ることもあります。

その間、ドライブレコーダーが作動していれば、工場内や試運転中の映像が記録される可能性があります。

それでも、だからといって勝手に電源を抜くことはしませんでした。

少なくとも僕がいた現場では、ドライブレコーダーを止める必要があるなら、お客さんへ理由を説明するべきだという感覚でした。

それだけに、近所の人から相談されたとき、僕も最初に思いました。

「なんで電源を抜いたんだろう?」

整備士が映りたくなかったのか?

考えられる理由の一つは、工場側のプライバシーです。

最近のドライブレコーダーには、前方だけでなく後方や車内を記録するものがあります。

音声録音が有効になっている機種もあります。

車が工場内へ入れば、ほかのお客さんの車やナンバープレートが映り込む可能性があります。

整備士同士の会話や、社内の情報が録音されることも考えられます。

そのため、会社の方針として、入庫車のドライブレコーダーを停止させている整備工場があるのかもしれません。

ただし、その方針自体に理由があったとしても、無断で電源を抜き、そのまま返すのは別の問題です。

受付の時点で、

「工場内のプライバシー保護のため、作業中はドライブレコーダーの電源を切らせていただきます」

と説明すれば、お客さんも判断できます。

返却時には、元どおり電源を接続したか確認する必要もあります。

何も伝えずに抜いたまま返せば、

「何か見られたくないことをしたのでは?」

と疑われても仕方がありません。

電装品の修理で外した可能性

修理内容によっては、ドライブレコーダーの電源を外す必要がある場合もあります。

例えば、バッテリー上がりや暗電流の点検です。

車を使っていないのにバッテリーが上がる場合、停止中にどこかの電装品が電気を消費していないか調べます。

駐車監視機能付きのドライブレコーダーは、エンジンを止めた後も作動することがあります。

設定や取り付け状態によっては、バッテリーへの負担を調べるため、一時的に電源を切って変化を見ることがあります。

オーディオやナビ、アクセサリーソケット、ヒューズ周辺の修理でも、ドライブレコーダーの配線が作業の邪魔になる場合があります。

ダッシュボードやピラーの内張りを外す作業なら、配線を傷めないためにコネクターを外すこともあるでしょう。

この場合、電源を抜いたこと自体には理由があります。

問題は、作業が終わった後に接続を戻し忘れたことです。

整備工場の単純な確認不足だった可能性もあります。

長期間預かるために電源を切った可能性

車を何日も預かる場合、バッテリー上がりを防ぐ目的でドライブレコーダーの電源を外した可能性もあります。

特に常時電源から給電され、駐車監視を続けるタイプは、車を動かさない間も電気を消費します。

もっとも、適切に取り付けられた駐車監視ユニットなら、一定の電圧まで低下したところで電源を遮断する機能が付いていることがあります。

それでも古いバッテリーや、長期間動かさない車では、負担を減らすために電源を切る判断をすることは考えられます。

ただ、この場合も説明が必要です。

「長期間お預かりするので、バッテリー保護のためにドラレコを停止しました」

この一言があれば、不信感にはつながりにくかったはずです。

試運転を記録されたくなかったのか?

お客さんが最も心配していたのは、これでした。

「勝手に遠くまで乗ったり、乱暴な運転をしたりしたから、映像を残したくなかったんじゃないの?」

可能性が絶対にないとは言い切れません。

しかし、電源が抜けていただけで、すぐに不正な運転があったと断定することもできません。

修理後の試運転そのものは、必要な作業です。

異音、振動、変速不良、ブレーキ、ハンドルの違和感などは、実際に道路を走らなければ確認できないことがあります。

修理前と修理後に同じ道を走り、症状が改善したか比べることもあります。

試運転したこと自体が問題なのではありません。

問題になるのは、必要な範囲を超えて車を使った場合や、危険な運転をした場合です。

そして、試運転が必要だったとしても、ドライブレコーダーを無断で停止させれば疑われやすくなります。

工場側が自分で不信感の種を作ってしまうのです。

映像を確認すれば何か分かるのか?

ドライブレコーダーの電源が抜かれていたと気づいたら、まず記録を確認してみる方法があります。

最後に録画された日時はいつか。

入庫前までは正常に記録されていたか。

整備工場へ到着した直後に録画が止まっているか。

返却後、電源をつなぎ直したら正常に作動するか。

これらを確認すると、故障なのか、意図的に電源が外された可能性があるのかを整理できます。

ただし、映像が途切れているだけでは、その間に不正があった証拠にはなりません。

最初から決めつけず、整備工場へ直接確認した方がよいでしょう。

「修理から戻ってきたら、ドラレコの電源が抜けていました。作業上、外す必要があったのでしょうか?」

この聞き方なら、工場側も理由を説明しやすくなります。

説明が、

「作業のため一時的に外し、戻し忘れました」

というものであれば、確認不足ではありますが、事情は分かります。

一方で、理由をまったく説明できなかったり、話が何度も変わったりするのであれば、不信感が残るでしょう。

工場側も入庫時に確認するべき

今の車には、さまざまな用品が後付けされています。

ドライブレコーダー。

レーダー探知機。

スマートフォンの充電器。

後付けナビ。

車内カメラ。

通信機能付きの端末。

整備工場は車を預かる際、こうした用品が装着されていることも確認しなければなりません。

ドライブレコーダーを停止させる方針なら、事前に説明する。

作業のために電源を外したら、作業後に元へ戻す。

返却時に録画が再開しているか確認する。

非常に基本的なことですが、これを怠ると、お客さんとの信頼関係が簡単に崩れます。

お客さんにとって、ドライブレコーダーは事故が起きたときに自分を守るための装置です。

電源が抜かれていることに気づかず走り続け、その間に事故が起きたら、必要な映像が残りません。

「戻し忘れただけ」で済ませにくい問題なのです。

電源を抜いた理由より、説明がなかったことが問題

今回、近所の人の車でなぜドライブレコーダーの電源が抜かれていたのか、実際の理由は整備工場へ聞かなければ分かりません。

作業上必要だったのかもしれません。

バッテリー保護のためだったのかもしれません。

工場内のプライバシーを守る方針だった可能性もあります。

単純に、外した後で戻し忘れただけかもしれません。

ただ、どの理由だったとしても、何も説明せず電源が抜かれたまま車を返せば、お客さんは不安になります。

整備工場は、お客さんの大切な車を預かる仕事です。

部品を正しく交換するだけでは足りません。

なぜ試運転したのか。

なぜ配線を外したのか。

なぜ走行距離が増えたのか。

なぜガソリンが減ったのか。

普段と違う状態があれば、それを一言説明する必要があります。

近所の人には、

「まずは修理した工場へ、作業上外したのか聞いてみた方がいい。ただ、最初から悪いことをしたと決めつけない方がいいよ」

と伝えました。

ドラレコの電源が抜かれていた。

それだけで、整備工場が何かを隠していたとは断定できません。

しかし、何も説明せずに返してしまったことは、工場側の確認不足だったと言えるでしょう。

お客さんが疑う原因を作らないことも、整備工場に必要な仕事の一つだと思います。

noteと週刊MHO通信を始めました

整備士として働いてきた約25年間の体験や、チームMHOを始めてから現在に至るまでの出来事を、noteで少しずつ書き始めました。

普段の自動車記事では書ききれない、修理現場での経験、仕事への考え方、独立するまでの道のりなども残していく予定です。

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