トラックのクラッチはでかくて重い!三菱 キャンター FE52CB クラッチOH作業

三菱ふそうのキャンターというトラックのクラッチOHをしてきました。型式がFE52CBというモデルになります。

日整連の作業指数表を見てみると作業時間5.5時間となっています。5.5時間が妥当かどうかというのは、スムーズにいった場合。

今回作業してみて6時間位かかったかもしれません。というのも、外したいボルトが錆て外れなかったり、最後の調整で手間取ったりしたからです。

縦置きミッションなので、でっかい軽トラックと思えば似たようなレイアウトですが、すべてがヘビー級です。ちなみに同じ軽トラックで縦置きミッションのクラッチOHは3時間前後が多いです。

手順としてはスペアタイヤが邪魔で外す。マフラーもできればフロントパイプを外す。プロペラシャフトを外してセンターブレーキを分解、ミッション脱着という流れが理想。

しかし、この車両あちこちに錆が出てきていて、マフラーを外すことが困難なので、そのままでアタックしました。結果、とてもやりにくかった。

プロペラシャフトを外して、センターブレーキをばらします。理由は、乗用車でいうところのサイドブレーキワイヤーがここに接続されています。

センターブレーキと言って、ミッションの後部にドラムブレーキを備え付けていて、これをトラックではサイドブレーキ代わりにつかっています。

このセンターブレーキワイヤーを外すために、キャンターの場合ドラムをばらさないといけない。いすゞのエルフに関しては途中でワイヤーを分岐できるので、ドラムをばらさなくてもできました。

センターブレーキのドラムを外した状態です。このままシューを外してワイヤーをミッションから切り離します。

バックランプやらスピードメーターセンサーのカプラーなどを外していきます。バックの配線にバックモニター用の配線がかませてあった。

こんな水が付着しまくるところから取るには何かしらの理由があったのかな?

ミッションのシフトケーブルを外して、シフトリンケージも外します。

ミッションジャッキを正確にあてがって、ベルハウジングのネジとミッションマウントを外して、ミッションをエンジンから切り離します。

ミッションジャッキの位置合わせがうまくいってないと、ミッションが傾いてしまいドッキングさせるのが困難になります。

マフラーのステーが干渉したので、そこだけはずしました。

16万キロ使い込んだクラッチです。ちなみにクラッチOHはお客さんからのオーダーです。乗った感じ滑ってる感はなかったです。荷物を積むとわかるのかもしれないです。

クラッチを外します。

ミッション側は、レリーズベアリング、シフトフォーク、ピボットを交換します。

急な仕事だったので、とにかく間に合う部品でそろえてもらいました。本当なら純正がよかったなぁ。

まだ使えないわけでもなさそうなクラッチ。

センター出しをしてクラッチを組んでいきます。写真撮り忘れましたが、パイロットベアリングも交換済み。

クラッチカバーを何度かに分けて対角線上に締め込み、最終的に規定トルクで締め付けます。

ミッション側も交換していきます。クラッチフォークの支点となるピボットは22mm。

レリーズ固定のピンは間に合わなかったので再利用。

ミッション側準備OKです。

センター出しツールがきつくて抜けない(汗)と思ったら抜けました。

あとは組付けていきます。折り返しを過ぎれば早いものです。

ネジがすんなり外れないことが一番時間を消費してしまう。

ミッションをドッキングして組み上げ終わったのち、テスト走行に行こうと思ったら、シフトの位置がおかしいことに気が付きました。

シフトリンケージのスプラインの位置がずれている模様。

シフトの位置がずれたのはこのスプラインが原因です。外す前にマーキングして外しましたが、マフラーが邪魔でぴったりと同じ位置になってなかった。

その為位置がシフトの位置がずれていたと。結局3回位置を合わせてようやくストライクゾーンへ入りました。やはりマフラーを外したほうがいいと思います。この辺が見えにくいんですよね。

最終チェックしたのち、電装系統を再設定してテスト走行。

問題ないことを確認して洗車して終了。

キャンターのクラッチOHでした。

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