もし何らかの理由でエンジンにオイルが入ってない、もしくは抜けてしまったとします。近くにスーパーはあるけど、車屋さんなど車関係のお店はなし。
どうしてもあなたは車を使って移動をしないといけない事情がある。レッカーは当分来れない為どうにか自走をするしかない・・。
こんなシチュエーションの時、極論ですがスーパーに売ってるサラダ油をエンジンに入れても大丈夫なのか・・・？すごくバカバカしくて誰もやろうとはできないことを実験してきました。
目次
エンジンオイルの代わりにサラダ油を入れてみたら？
エンジンの中にオイルが全く入っていない。でもエンジンをかけて数キロは走らないといけない。サラダ油は売ってるけどエンジンオイルは売ってない。
こんなシチュエーションに遭遇するほうが稀だと思いますが、今後の知識の引き出しを増やすために検証してみましたので報告します。
テストした車両は走行距離１１万キロオーバーの軽自動車ターボエンジンです。マイカーです。
用意したオイルはサラダ油です。同じくらいの値段でキャノーラ油というのも売ってましたが、サラダ油のほうが聞き馴染みがあったので買ってきました。
テスト方法は、エンジンオイルをオイルチェンジャーで上抜きする。（オイルフィルターは外さない）
オイルのレベルゲージ下限より少し上あたりまでサラダ油を入れて、エンジンをかけてテストする。実走行までは行っていません。あくまでアイドリング、エンジンをふかし上げたレーシング、Dレンジでのストールテストのような負荷。この３つでエンジンがどのような変化をするのか試してみました。
サラダ油の着火点は300度オーバー
万が一エンジンから出火するなんてことがないように、下調べをしました。サラダ油というか油の自己着火点は３００度オーバーとのこと。
通常エンジンオイルの油温って１１０度くらい。１３０度を超えるとオイルとしての性能が一気に劣化するといわれています。
このことから、サラダ油を入れてもアイドリング状態などでは自己着火点まで温度が上がることはないと推測。
サラダ油を２本入れたら、レベルゲージの下限を上回ったのでここまでで準備完了とします。
サラダ油を入れたエンジンの状態は！？
サラダ油を入れた状態でエンジンをかけたら、どうなるのか？
ものすごく興味深かったわけですが、結論を先に書くと案外普通にエンジンはかかっています。レーシングしてふかしても、Dレンジのストール負荷を与えても異音すら出ていません。
このことから、低速走行であれば緊急時にサラダ油を入れてエンジンをかけて移動することは不可能ではないといえます。
不可能ではないといえると、表現をあいまいにしたのは他のエンジンで試していないからです。特に僕が乗ってる時代の車以前のエンジンや最新のエンジンに同じことを試したらどうなるのか？
多分サラダ油はエンジンオイルよりもさらさらしているので、最新エンジンに入れても違和感なくエンジンが回るかもしれない。
古いエンジンって、オイルの粘度が今よりも高い設定をされています。そういったエンジンに入れるとアイドリングでも壊れる可能性があると思います。
とりあえず僕が乗ってる車では、エンジンは何の違和感もなくかかっていました。どうしてもっていう時に、サラダ油を入れるという苦渋の選択は不可能ではないというのが結論です。もちろん自己責任になります。
実験後は入念なフラッシングを
サラダ油でエンジンがかかることはわかりました。もちろんこの車はマイカーで、ほぼ毎日使わないといけないので、エンジン内部を入念にフラッシングして新油を入れました。
こちらが実験後に抜いたサラダ油です。
一番最初に抜いたオイルは、実は走行１０００ｋｍ弱くらいしか使っていなかったのです。サラダ油を入れた後にこのオイルは取っておきました。
１０００ｋｍ走行後のオイルを再びエンジンに入れて、しばらくエンジンをかけっぱなしにして内部を洗浄。
その後オイルフィルターを新品に交換して新油を入れました。
今回どうしてこんなバカげた実験をしたのかというと、やはり知識として知っておきたかったという純粋な好奇心によるところです。
机上の空論っていうじゃないですか？百聞は一見に如かずです。自分で実際に体験してみてからこそモノが書ける。本当に緊急時にもちろん壊れるリスクも高いだろうけど、どうしても車を使わなければいけない。
そんな時近くにサラダ油があったらどうするか？選択肢は多いほうがいいです。知っていて損はない知識だと思います。
賛否両論あるでしょうけど、皆さんには実験の限りをお伝えしていきたいと思ってます。
この実験、YouTube動画でもあげています。実際にエンジンのフィーリングなどを見てみたい人は動画もご覧になってください。
こんな実験してますが、車は大切にしてますよ～。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。