大型バスの事故!フェードとべーパーロックではペダルの踏み心地が違う

先日、痛ましいバスの事故が発生したのは記憶に新しいかと思います。

バスが横転した原因は、ブレーキが効かなくなったということとして調査されています。もう一度おさらいしておきたいのが、ブレーキのフェード現象とべーパーロック現象について。

同じブレーキのトラブルで、熱によるものですが、原因はパッドやライニングか、フルードかで分かれます。

フェード現象とは?

まず今回のバス事故で調査されているブレーキのフェード現象について。

これは、ディスクブレーキ・ドラムブレーキのどちらでも起きます。

ブレーキパッドやブレーキシューと温度に関係がある現象です。例えば純正のブレーキパッドを考えます。走り出してすぐにブレーキが効かないと駄目ですよね?氷点下であってもブレーキが効かないとまずいです。

つまり、設定温度が0℃~400℃といったイメージをもってもらえればいいと思います。

冷間時にもちゃんとブレーキが効く。しかし、温度的には400℃を超えてくると厳しくなる。

400℃っていうのは仮に設定した温度なので、それぞれ純正ブレーキパッドに使用されている摩材によって変わってきます。

では、レースカーのようにサーキットを走るとどうか?

極端な話、0℃ではブレーキが効かなくてもいいんです。それよりももっと高温の時でもブレーキが効かないとフェードしてしまうので。

サーキット用のブレーキパッドなどは200℃~800℃など、高い温度域でフェードしてもらっては困るのです。

レーシングカーは最初にブレーキとタイヤを温めます。パドックからスタートした瞬間っていうのは、グリップも弱いしブレーキも効きにくい。

これを最初に温めてから使うのです。しかし限界速度が、一般道とは全く違うのでブレーキなどはすぐに高熱になってしまう。

ノーマルパッドだとすぐにフェードして効かなくなってしまう。

フェード現象というのは、ブレーキの素材によって左右されます。設定温度よりも上がったり下がったりすると、ペダルを踏んでも全然止まらなくなってしまう。

それを回避するには、その温度まで戻してやる必要がある。

高熱でフェードしたら、ブレーキを使わないで走行風を当てて冷ましてあげる。すると徐々にききが戻ります。

サーキット用のパッドだったら、ブレーキを踏みっぱなしにして少し走ることで加熱させて、ブレーキが効く温度帯へもっていく。

フェード現象の特徴は、ブレーキを踏んでいる感触はあるんです。しかし、踏んでも止まりません。よく氷の上をはしるようなそんなイメージに近いです。

僕も一度フェードを経験したことがありますが、本当に止まらなくなったので、車を停車させて温度を下げました。一般道の峠道、下りでフェードしました。これは本当の話です。

べーパーロック現象はペダルがスカスカになる

続いてはべーパーロック現象について。

これはブレーキフルードのトラブルです。ブレーキフルードにはDOT3、DOT4、DOT5というように種類が分かれています。

純正採用されているのはDOT3が多いです。たまに新車からDOT4を充填している車もあります。

この違いは何かというと、沸点の違いです。DOTの数字が大きくなるほど熱に強くなるんです。べーパーロック現象は、

ブレーキをかける→ブレーキオイルが熱を持つ→ブレーキオイルが沸騰してエアが噛みこむ→ブレーキが効かなくなる

こういうフローで起こります。

だったら最初から熱に強いDOT5をいれときゃいいじゃないかって思いますよね?DOTの数字が高くなると吸水性が強くなり、劣化が早くなります。

こまめにブレーキフルードを交換する人はDOT5でもいいんです。基本的に自分で交換しない人はDOT3じゃないと、劣化して結局沸点が下がっちゃう諸刃の剣なんです。

サーキットを走る人は自分でブレーキフルードを交換します。サーキットランの前にフルーフルードを入れ替えて、途中何度もエア抜きをするくらい。

車検ごとにブレーキフルードの交換をケチる人は、更に沸点が下がってくるのでべーパーロックが起きやすくなる。

フェード現象はペダルの踏み心地はしっかりしていますが、べーパーロックが起きるとペダルがスカスカになります。

フェード現象っていうのはある意味しょうがないかなというイメージがありますが、べーパーロックは整備不良でも起きるので、ドライバーさんにも責任が出てきますよね。

下り坂はエンジンブレーキを使わないとフェードもべーパーロックも起きる

このように、ブレーキって熱に弱いんです。

なので、下り坂ではエンジンブレーキを使えって教習所で教わるはずなんです。

マニュアル車ならギヤを落とせば落とすほどエンジンブレーキが強くなります。AT車だとDレンジのままだとエンジンブレーキが弱いままなので、2や1といったレンジに落としていく必要があります。

もちろんバスやトラックにはこれ以外に、排気ブレーキなど違うブレーキも備えています。

今回事故に遭ったバスは、サイドブレーキも使っていたようですが、さすがに厳しいですよね。トラックやバスのサイドブレーキって、乗用車と違ってリヤブレーキを駆動させていません。

センターブレーキと呼ばれて、ミッションの後ろ側にドラムブレーキをつけているだけなので。

特に荷物や人を乗せると重さが増してきます。トラックに荷物を載せたり、バスに人を乗せて運転したことがある人ってあまりいないと思いますが、重くなるとブレーキの効きがまるで変わってきます。

もし心配な人は、車検ごとにブレーキフルードをDOT4に交換。ブレーキパッドはワイドレンジなものを選んでもらうと、フェードとべーパーロックをある程度は回避できます。

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