タイミングベルト交換を失敗してバルブクラッシュをした車の話

整備士をやっていると、なかなか笑えない自体に遭遇することがあります。今回はそんなお話。

中古車で販売しようとしたEKスポーツ。走行距離が8万キロまで伸びていたので、タイミングベルトを交換して販売しよう!ということになりました。

中古車整備って、ある程度若い整備士の腕を磨く絶好のチャンスでもあります。

今回も入社して3年経過した新人整備士に担当してもらいました。

ら、タイトルの通りです。新人整備士が

「やってしまいました・・・」

というので、見てみたらまさかのバルブクラッシュ。ロッカーアームを触ってみると、バルブクリアランスがありえないくらいスカスカなんです。これはめちゃくちゃバルブ曲がっとりますがな・・・。

というわけで、リカバリーは先輩の仕事になります。何故ならば、納車を待っているお客さんがいる。つまり納期が差し迫っている。

そして、新人整備士はヘッドを降ろしてバルブを交換したこともない・・。じっくり取り組める車ならば、リカバリーまで手を入れさせたいところですけど。

それにしても、どうやったらここまでバルブがスカスカになるのだろうか?

多分タイミングベルトをかけてクランクを回したら、違和感を感じるはずです。そこでセルを回して止めを刺してしまったというより、それ以上の被害です。

何故ならば、1気筒だけではなく、3気筒のインテーク系統が全てやられているからです。

ピストントップを見ると銀色に光っていますよね?これはバルブが当たった証拠です。

なかなか信じられない自体になっている・・・。

実は何を隠そう僕もタイミングベルトで失敗したことが一度だけあります。

それは生まれて初めてタイミングベルトを交換した車。自分が乗っていたカプチーノのEA11Rです。ツインカムターボのF6A。そもそもタイミングベルトってどんなになってるのか全く分からないまま、自宅で交換したんです。

するとエンジンをかけるとカンカン音がするんです。こんな音しなかったよなぁと思って、知り合いの整備士に電話で聞いたら、バルブ付いてるよって。

もう一度ベルトをかけなおしたら音が止まりました。曲がるまではいかなかったのかもしれないけど、そんなこともあった。

そんなことを考えながらバルブを外していくと、すごいぐにゃぐにゃになってるバルブ。

これはひどい・・・。

3G83でターボが付いていたのでちょっと手間でしたが、作業は無事に終了。

お客さんに一応このことを伝えて(圧縮は規定値まで回復しています)、車体価格を値引きして買ってもらいました。

整備士をやってると、まあこんなこともあるわなと。

ちなみにこれは、ずっと前の出来事です。今の後輩たちはもはや自分以上に作業が速い連中で固まっているので、リカバリーすることはほぼありません。

本人たちが失敗したらリカバリーしますから。それでも駄目なときは相談に来るので、作業を引き受けることもあります。

この位になってくると、もう己との戦いですね。実際に作業スピードは後輩の方が速い。どこでカバーするかというと、精度です。

ガスケットは人一倍奇麗にはがす。自分の手ルクを過信しないで、トルクレンチを使う。清掃・給油は人一倍丁寧に行う。などなど。オイルの量はぴったりに合わせる。

これって全て基本なんですけど、手が速くなってくると基本をおろそかにしがちになりますから。

スピードが後輩に勝てなくなったら精度で勝負!

このEKも嫌っていうほどバルブのすり合わせをして、チェックをし、最後はきちんと規定値の圧縮に戻しました。

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