一定の違反歴がある75歳以上のドライバーを対象にした運転技能検査が、2027年度にも見直される見通しです。

新たに「方向変換」が追加され、安全確認も審査項目になります。さらに、停止線を越えて交差する道路へ進入する「一時不停止(大)」は、減点が20点から40点へ引き上げられる方向です。
検査は100点からの減点方式で、70点以上が合格です。31点以上減点されれば不合格となるため、一時不停止(大)に該当すると、その時点で一発不合格になります。
見直しの背景には、現在の検査が事故防止に十分機能していないという問題があります。
運転技能検査に合格したドライバーの事故件数は、検査対象ではない高齢者講習受講者の約2.8倍に上るとされています。一定の違反歴がある人を実車で検査しているのに、合格後も事故が多いのであれば、試験内容を見直す必要はあるでしょう。
方向変換では、後方や周囲を確認しながら、アクセルとブレーキを踏み分け、前進と後退を切り替え、ハンドルを操作します。
複数の動作を同時に行うため、車庫入れなどで起こりやすい踏み間違いや確認不足を見つける課題としては意味があります。
一時停止も同様です。
速度を落としただけで「止まったつもり」になっている車は少なくありません。しかし一時停止は、停止線の手前で車輪を完全に止める必要があります。
停止線を越えてから左右を確認すれば、歩行者や自転車と接触する危険があります。一時不停止の減点を重くすることには、一定の合理性があると思います。
ただし、試験を難しくして不合格者を増やすだけで、高齢者事故の問題が解決するわけではありません。
僕が暮らしているような地方では、車はぜいたく品ではなく生活手段です。
通院、買い物、役所、金融機関、仕事など、車がなければ日常生活が成り立たない地域があります。バスが一日に数本しかなく、駅まで歩けない人もいます。
そのような人へ「危ないから免許を返してください」と言えば、運転する権利だけでなく、自分で生活する自由まで失うことになります。
家族も簡単ではありません。
運転は心配でも、免許を返納されたら誰が毎回送迎するのか。本人と家族だけでは解決できない問題があります。
整備やサービスフロントの現場では、車の状態から運転能力の変化を感じることもあります。
以前はなかった傷が車の四隅に増えた。ドアミラーを何度もぶつける。ホイールやタイヤ側面に擦った跡がある。同じ場所を繰り返し修理している。
本人は「少しこすっただけ」と考えていても、小さな接触が続く場合は、車幅感覚や後方確認、ブレーキ操作が変化している可能性があります。
家族が確認したいのは年齢だけではありません。
一時停止で完全に止まれているか。左右を確認できているか。運転が急になっていないか。車に新しい傷が増えていないか。同乗して怖いと感じる場面が増えていないか。
こうした変化は、重大事故が起きる前の警告かもしれません。
技能検査を厳しくすることは必要だと思います。しかし、不合格通知を渡して終わりでは不十分です。
運転を続けられる人には再教育を行う。条件付きなら運転できる人には、サポートカー限定免許や運転範囲の制限を検討する。運転継続が危険な人には、乗り合いタクシーや送迎、宅配など、返納後の生活手段まで案内する。
免許をそのまま更新するか、完全に返納するか。その二択だけではなく、夜間や悪天候時は運転しない、高速道路へ入らない、生活圏内だけに限定するといった中間的な仕組みも必要です。
高齢者の運転問題は「試験で落とせば終わり」ではありません。
安全に運転を続ける仕組み。
危険な変化を早く見つける仕組み。
運転をやめても生活できる仕組み。
この三つを同時に整えて、初めて高齢者本人の自由と周囲の人の命を守れるのだと思います。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。