「猛暑を乗り切った車こそ要注意!秋になる前に点検しておきたい5つの場所」

今年の夏も厳しい暑さが続いています。

人間にとって厳しい暑さは、当然ながら車にとってもかなり過酷です。

「夏を乗り切ったから、もう大丈夫」

そう思いたくなるところですが、整備士として長年いろいろな車を見てきた経験からすると、むしろ気をつけたいのは夏の終わりです。

真夏に酷使された部品が、少し時間を置いてから不調を起こすことがあるからです。

今回は、夏の終わりから秋にかけて一度確認しておきたいポイントを5つ紹介します。

1 まず確認したいのがバッテリー

夏の車で負担が大きくなる部品のひとつがバッテリーです。

エアコンを使い、ブロアモーターを回し、ナビやドラレコ、スマートフォンの充電など、今の車は大量の電気を使います。

特に短距離走行を繰り返している車では、エンジンをかけるために使った電気を十分に取り戻せないまま次の始動を迎えることもあります。

そしてバッテリーで厄介なのが、

「昨日まで普通にエンジンがかかっていた」

というケースです。

バッテリーは徐々に弱っていくものですが、ドライバーがその変化を体感できるとは限りません。

ある朝突然、

キュル……キュル……

となってしまうことがあります。

セルモーターの回転が以前より弱い。

アイドリングストップしなくなった。

バッテリーを数年間交換していない。

こうした車は、一度状態を確認しておいた方が安心です。

2 エアコンは「冷えているから正常」とは限らない

今年の夏、もっとも働いた装備のひとつは間違いなくエアコンでしょう。

ここで覚えておいてほしいのは、

「冷たい風が出ている=エアコンに何の問題もない」

とは限らないことです。

例えばエアコンフィルター。

長期間交換していないと、ホコリや虫、落ち葉などがびっしり詰まっていることがあります。

フィルターが詰まれば風量が落ちます。

するとドライバーは、

「なんか冷えないな」

と設定温度をさらに下げたり、風量を強くしたりします。

しかし実際にはエアコンそのものではなく、単純に空気が通りにくくなっているケースもあります。

フィルターは比較的簡単に確認できる車種も多いため、夏にエアコンを酷使した車なら確認しておきたいところです。

3 タイヤは空気圧だけではなく「内側」も見る

夏は高速道路を使って長距離移動した人も多いと思います。

そんな車で確認してほしいのがタイヤです。

タイヤというと、

「溝があるから大丈夫」

と思われがちです。

しかし整備の現場では、外側から見ただけでは分かりにくい異常に遭遇することがあります。

例えばタイヤの内側だけが極端に減っている偏摩耗。

外側から見るとまだ溝が残っているのに、内側を確認したらかなり摩耗していたというケースです。

ひび割れや傷、異物が刺さっていないかも確認してください。

そしてもちろん空気圧です。

空気圧不足のまま高速走行を続けるのは危険です。

「まだ溝がある」

だけで判断せず、タイヤ全体を見ることが重要です。

4 冷却水は「水温計が正常だから大丈夫」と思わない

猛暑の中でエンジンを守っているのが冷却システムです。

冷却水。

ラジエーター。

ウォーターポンプ。

サーモスタット。

電動ファン。

これらが協力してエンジンの温度を適切に保っています。

冷却系統で怖いのは、小さな漏れです。

大量に漏れていればすぐ異常に気づきます。

しかし少しずつ漏れている場合、普通に走れてしまうことがあります。

そして冷却水が減っていき、ある日突然オーバーヒートする。

実際の整備現場でもこうしたケースはあります。

エンジンが冷えている状態でリザーバータンクを確認して、冷却水量が規定範囲にあるかチェックしておくと安心です。

頻繁に減るのであれば、補充だけで済ませず漏れている原因を調べる必要があります。

5 意外と忘れられるのがエンジンオイル

夏の高速道路。

渋滞。

長距離ドライブ。

高温状態での連続運転。

こうした状況で働き続けているのがエンジンオイルです。

最近の車は昔よりエンジン性能もオイル性能も向上しています。

だからといって、エンジンオイルをいつまでも交換しなくていいわけではありません。

特に注意したいのが、

「前回いつ交換したか分からない」

という車です。

オイル交換時期は車種や使用環境によって違います。

まず取扱説明書などでメーカー指定の交換時期を確認してください。

そして指定時期が近づいているのであれば、夏に長距離を走ったタイミングで交換時期を確認しておくのもいいでしょう。

車は「壊れてから直す」より「壊れる前に気づく」方が安い

整備士を長くやっていると、本当に何度も思います。

車の修理は、小さな異常の段階で発見できれば比較的安く済むことがあります。

しかし、

「まだ走れるから」

「警告灯がついていないから」

と乗り続けることで、別の部品まで壊してしまうことがあります。

冷却水漏れを放置してオーバーヒート。

タイヤの異常を放置してバースト。

弱ったバッテリーを使い続けて出先で始動不能。

こうなれば修理代だけではありません。

レッカー移動や予定変更など、時間まで失うことになります。

車は故障する直前まで普通に走っていることがあります。

だからこそ、

「普通に走っている今」

確認しておく意味があります。

夏に頑張ってくれた車を、秋になる前に一度チェックしてみてください。

数分の確認で、大きなトラブルを防げるかもしれません。

いきなりバッテリー不良でエンジンが掛からなくなった時、役に立つのがコンデンサ型のジャンプスターターです。一つ持っておくと安心です。

note始めました。不定期連載になりますが、こちらもご覧ください。

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