高級オイルを入れ続けたのにどうしてオイル漏れする?というクレーム!オイルと漏れについて

この前、お客さんとこのような事がありました。車検時でエンジンからオイルが漏れ出してきていたので、修理メニューを提案。

するとお客さんは

「いつもグレードの高いオイルを入れてるのに、どうして漏れてくるんだ?」

というわけです。

当社には何種類かのオイルをラインナップしていて、使い分けています。値段と性能などを加味して選んでもらいますが、このお客さんはスタンダードなオイルではなくて、100%化学合成油を入れ続けていました。

高級オイルと安いオイルでオイル漏れは変化してくるのか?

高級オイルと安いオイルの違いについて

そもそも当社で取り扱ってる高級オイルと、安いスタンダードオイルは何が違うのか?

安いオイルは部分合成油の5W-30です。幅広い車に使えるため、ドラム缶仕入れで安く販売しています。

その気になればキャンペーンなどで1台1000円で交換可能!ということもやったりしました。

もちろん性能は担保していて、普段使いで安心して使えます。

そして次に高級オイルです。こちらは全合成油と100%化学合成油など何種類もあります。というのも、車種によって使い分ける必要があるから。

お客さんが入れていたのは100%化学合成油の0W-20。

部分合成油と100%化学合成油って何が違うのかというと、ベースオイルの性能です。

100%化学合成油は、原油の分子構造が全て一定で不純物を排除しながら化学的に作られるオイルです。

これに対して部分合成油は、化学合成油と鉱物油の中間的な性能を誇っています。

100%化学合成油のほうが、低温始動性や酸化安定性、耐熱などすべての面において部分合成油より性能的に勝っています。デメリットは価格が高いという事だけ。

ではこの100%化学合成油を入れ続けると、エンジンにはどのような影響があり、肝心のオイル漏れはどうなのか?

オイル漏れはエンジンの経年劣化が原因

エンジンからオイルが漏れてくる。エンジンっていくつもの部品が組み合わさっています。大きくはヘッドカバー、シリンダーヘッド、シリンダーブロック、オイルパンです。

それぞれの接合部はパッキンだったり、ガスケットだったり、液体シーラーなどで密封されています。

つまりオイル漏れというのはこれらパッキンが劣化してきて漏れるものなので、高級オイルだから漏れにくいというわけではないのです。

ゴム製品は経年劣化で硬化してきます。硬くなったパッキンではシール効果が薄れてくるので、オイル漏れが生じてきます。

オイルの良し悪しではパッキン劣化はあまり左右されないという事。ただし例外があり、旧車と呼ばれるほど古い車。

旧車に最新の化学合成油を入れると不具合を逆に起こします。オイルシールとのなじみが良くない為、オイル漏れが発生することがあります。

旧車には旧車用に開発されたオイルを入れないと駄目なんです。

高級オイルを使うのはエンジンを最大限保護するため

では高級オイルを入れる理由はなんだ!?とお客さんに聞かれました。

高級オイルを入れる理由は簡単です。エンジンを最大限保護するためです。

例えば高速走行や登坂走行など、エンジンに必要以上の負荷がかかる使い方をする場合。

それぞれのオイルの限界値を100だとして表現します。

鉱物油だと120

部分合成油だと100

100%化学合成油だと80

鉱物油だとそもそもが、その性能を超えてさらに20%くらいの安定感が欲しい。部分合成油だとまあトントン位。100%化学合成油なら8割程度の性能で保護できています。というイメージ。

コスト重視でいけば部分合成油がぴったり合致します。しかし、プラスアルファで負荷をかける可能性があるのなら、100%化学合成油を入れておくと安心だということになります。

このお客さんの車は軽自動車のターボエンジンです。高速道路も頻繁に乗るし、峠道も走ります。エンジンにとってはかなり過酷な状況下にあります。加えて非常に車を大切にしている。

100%化学合成油をお勧めする理由はそこにあります。

エンジンの油膜が限界を超えてしまえば、金属同士がこすれ合い、一気に摩耗が促進されます。今使ってるエンジンを最大限保護するという意味も込めていいオイルを入れる。

最初から10万キロ位まで走れればいいとか、10年で買い替えるということであれば、スタンダードなオイルでいいと思います。

でも気に入った車を長く使いたいということであれば、いいオイル一択です!

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする