オイルが原因でエンジン不調!NAであっても早め交換をお勧めしたいエンジンを症例と紹介

この前廃車にしてほしいと依頼があった車の中に、当時の取り扱い説明書が入っていたので読んでみました。

平成14年式の三菱ミニカです。

エンジンは3G83です。

H47Vという型式で、指定オイルのグレードがSH、SJ、SLとなっています。粘度は10W-30、5W-30、5W-20、0W-20。

こんな時代から0W-20をいれてもいいとなってました。5W-20という粘度は今はもうあまりみかけませんね。

エンジンオイルの交換時期は15000kmまたは1年。シビアコンディションで7500km、6ヶ月と書いてあります。

今から18年前の車もエンジンオイルがロングライフ化されていたんだなと。

これを見ると最長で15000kmエンジンオイルを交換しなくてもいけるということも解釈できます。

今の国産車のNAエンジンはほとんどがこの位を交換時期としています。しかし、この15000km交換だと不具合が出ることが考えられます。実際の症例から見てみます。

オイル交換をしなくてエンジン不調に

ダイハツのムーヴだったと記憶しています。

エンジンが不調ということで入庫してきました。症状としてはアクセルを踏み込んで加速しようとするとノッキングをするような状態でした。

原因を探っていくと、オイル管理がよくなくてプラグホールへオイルが流れこんで、失火していたという点。そしてもう一つがちょっと見逃せない原因です。

エンジンオイルを交換していないがために引き起ったトラブルです。

この車には可変バルブタイミング機構がついています。

エンジンオイルの油圧でカムシャフトに取り付けてあるDVVTを作動させ、カムシャフトの位相を変化させる機能です。

この可変バルブタイミングはダイハツだけではなくトヨタや他のメーカーも採用していました。DVVTを作動させるために、ソレノイドバルブを使って油路を切り替えています。

ホンダのVTECはこれとは違うもので、VTECは可変バルブリフト機構です。こちらはバルブリフトの量を変化させる仕組みです。

一般的に可変バルブタイミングと呼ばれるものは、カムシャフトの位相をソレノイドバルブで変化させるものです。

この機構はターボだけでなくNAエンジンにも採用されていました。

問題のムーヴですが、オイル管理がひどくてエンジンにスラッジが堆積していました。このスラッジが可変バルブのソレノイドバルブにもこびりついて、プランジャーの動きを制限する状態になっていました。

これが原因で中途半端な油路でDVVTがうまく作動せずに、ノッキングを起こしていた。

何故このような故障が起きたかというと、オイル交換をしていないからです。メーカー指定距離くらいには交換をしていたようですが、オイルにスラッジが堆積していました。

もっと早めにオイル交換をしていればこうはならなかったはずです。

可変バルブ機構を持ってるエンジンはNAでも早めにオイル交換を

最近のNAエンジンにはほとんどが可変バルブタイミング機構が備え付けられています。それを作動させるのはエンジンオイルの油圧です。

この油路にスラッジが堆積してくると、エンジン不調に陥ってしまいます。

最近のエンジンオイルは性能が上がっているので、昔のようにヘッドカバーを開いてもスラッジが堆積しているエンジンを見かけることは少なくなりました。

しかし、油圧で作動している機構を持っているのであれば、スムーズにオイルが流れないとトラブルのもとになります。

特にきちんとしたグレードのオイルを使っていないと、スラッジの堆積が促進されかねません。指定グレード以上のものを使って、メーカー指定交換距離よりも早めに交換したほうがエンジンにとっては安心です。

もちろんターボ車もです。ターボはタービン冷却のオイルラインが非常に狭い為、オイル交換をさぼるとすぐに焼き付いてしまいます。

NAで15000km交換っていうのはやっぱり少し怖いかなぁというのが自分の感想です。

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