新品バッテリーに交換したのに翌朝また上がった!本当の原因は別にある?

車のエンジンがかからない。

セルモーターの回り方も弱く、メーターや室内灯も暗い。

バッテリーを点検すると電圧が低下していたため、新品へ交換した。

これで安心だと思っていたのに、翌朝になると再びエンジンがかからない。

こんなことが起きれば、

「昨日、新品に交換したばかりなのに!」

「本当にバッテリーを交換したのか?」

「整備工場が違う場所を見落としたのでは?」

と疑いたくなるでしょう。

新品バッテリーへ交換した直後に、再びバッテリーが上がることはあります。

多くの場合は、バッテリー以外に本当の原因が残っています。

しかし僕は過去に、新品バッテリーそのものが原因だった珍しいケースも経験しました。

バッテリーが上がったからといって、バッテリーだけが悪いとは限らない

エンジンを始動するとき、セルモーターは大きな電力を必要とします。

バッテリーが弱ればセルモーターを十分に回せなくなり、エンジンを始動できません。

そのため、

エンジンがかからない

バッテリーが上がっている

新品バッテリーへ交換する

という流れ自体は間違っていません。

ただし、古いバッテリーが上がった原因を確認しなければ、新品に交換しても再び同じことが起こります。

バッテリーは電気をためる部品です。

車が正常なら、エンジンが始動した後はオルタネーターが発電し、走行中にバッテリーを充電します。

ところが、発電装置が壊れていたり、エンジン停止中も何かが電気を使い続けていたりすれば、新品バッテリーも空になります。

新品へ交換したからといって、充電されない原因や放電する原因まで直るわけではありません。

原因1 オルタネーターが発電していない

最初に疑うべきなのが、オルタネーターの発電不良です。

オルタネーターはエンジンの力で回転し、車に必要な電気を作っています。

走行中はライト、エアコン、ワイパー、コンピューターなどへ電気を供給しながら、バッテリーも充電します。

オルタネーターが故障すると、エンジンがかかっていてもバッテリーは充電されません。

新品バッテリーを取り付ければ、その中に残っている電気でしばらく走れることはあります。

しかし、使った分が補充されないため、やがて電気を使い切ります。

夜間にヘッドライトを点灯し、エアコンやワイパーを使えば、さらに早く電圧が低下する可能性があります。

新品バッテリーへ交換した直後はエンジンがかかったのに、翌朝には始動できなくなった。

このような場合、バッテリー交換時に発電状態まで確認したかが重要です。

原因2 エンジンを止めても電気が流れ続けている

車はエンジンを止め、すべてのスイッチを切っても、完全に電気を使わなくなるわけではありません。

時計、セキュリティ、キーレス、各コンピューターの記憶保持などに少量の電気を使っています。

この程度なら、正常なバッテリーが一晩で空になることは通常ありません。

問題になるのは、電装品の不具合や取り付け状態によって、必要以上の電気が流れ続けているケースです。

これを暗電流、待機電流などと呼びます。

原因として考えられるのは、

・室内灯や荷室灯の消し忘れ

・半ドア

・グローブボックス内の照明

・後付けドライブレコーダー

・駐車監視機能

・後付けナビやオーディオ

・レーダー探知機

・リレーの固着

・コンピューターが休止状態へ入らない不具合

などです。

荷室の照明やグローブボックスの照明は、ふたを閉じると外から見えません。

本人はすべて消したつもりでも、スイッチのずれによって内部で点灯し続けることがあります。

こうした状態なら、新品バッテリーでも一晩で大きく放電する可能性があります。

原因3 バッテリー端子や配線の接触不良

バッテリー自体に十分な電気が残っていても、端子が緩んでいればセルモーターへ大電流を送れません。

交換作業後に端子の締め付けが不足していた。

端子やターミナルが腐食していた。

アース線が劣化していた。

配線の接続部分で接触不良が起きていた。

このようなケースでは、見た目はバッテリー上がりのように感じます。

端子を動かしたら突然電気が復活したり、メーターは点灯するのにセルモーターを回した瞬間すべて消えたりすることもあります。

新品バッテリーを取り付けた後は、端子が奥まで入っているか、確実に固定されているかを確認する必要があります。

原因4 走行時間が短く、充電が追いついていない

新品バッテリーは、必ずしも完全に満充電された状態とは限りません。

長期間店頭や倉庫に保管されていたバッテリーは、少しずつ放電していることがあります。

取り付け後に長距離を走れば充電されますが、近所への短距離走行だけでは、エンジン始動で使った電力を十分に回復できない場合があります。

寒い時期や、電装品を多く使用する条件ではさらに厳しくなります。

エンジンをかけて数分走り、すぐ停止する。

翌日も同じような使い方をする。

これを繰り返すと、新品バッテリーでも充電不足になる可能性があります。

ただし、一晩だけで完全に始動できなくなるほど低下するなら、短距離走行だけでなく発電状態や暗電流も確認した方がよいでしょう。

原因5 セルモーターの故障をバッテリー上がりと間違えた

セルモーターが劣化すると、正常なバッテリーでも回らなくなることがあります。

キーを回したときやスタートスイッチを押したときに、

カチッ

と音がするだけで回らない。

何度か操作すると突然回り始める。

エンジンが温まっているときだけ始動できない。

こうした症状では、セルモーター本体やマグネットスイッチなどに問題がある可能性があります。

最初のバッテリーも弱っていたため、交換直後には勢いよく始動できた。

しかしセルモーター側の故障も進んでおり、翌朝また始動できなくなった。

このように、二つの不具合が重なっている場合もあります。

まれに新品バッテリーそのものが壊れている

新品バッテリーに交換したのに上がると、多くの整備士は最初に発電不良や暗電流を疑います。

僕も基本的には同じです。

新品なのだから、バッテリー本体は正常だろう。

問題は車両側にあるはずだ。

そう考えます。

しかし、新品部品だから絶対に正常とは限りません。

僕が経験した車も、新品バッテリーへ交換したのに、再び始動できなくなりました。

当然、まずはオルタネーターの発電状態を確認します。

しかし、発電に明確な異常は見つかりません。

エンジンを止めた後、何かが大量に電気を消費していないかも確認しました。

こちらにも、バッテリーを短時間で空にするような異常は確認できませんでした。

端子や配線の状態にも問題はありません。

そこで、交換したばかりの新品バッテリー自体をあらためて点検しました。

すると、原因は車ではなく、新品バッテリー側にありました。

新品であっても、製造上の問題、内部の接触不良、セルの不具合、長期間の在庫による劣化などが起こる可能性はゼロではありません。

見た目は新品です。

取り付けた直後にはエンジンもかかります。

それでも、内部で正常に電気を保持できなければ、短時間で電圧が低下します。

整備士側も「昨日交換した新品だから」という思い込みがあるため、かえって発見が遅れることがあります。

新品部品を疑うのは最後になりやすい

整備の現場では、新品部品を取り付けた後も症状が直らないと、別の原因を探し始めます。

新品部品は正常である。

交換作業も間違っていない。

それなら、ほかの場所に故障があるはずだ。

この考え方は基本的には正しいものです。

新品部品の初期不良より、車両側に別の問題が残っている可能性の方が一般的には高いからです。

しかし、すべてを点検しても説明がつかないときは、新品部品も候補から外してはいけません。

新品バッテリーを正常な充電器で充電しても電圧を保持できない。

負荷をかけると急激に電圧が低下する。

正常なバッテリーへ付け替えると症状が出ない。

こうした比較によって、バッテリー本体の不良を絞り込めます。

新品だから壊れていないのではなく、新品でも壊れている可能性はある。

これはバッテリーに限らず、どの部品にもいえることです。

すぐにエンジンをかけ直さない

新品バッテリーへ交換した翌朝に再び上がった場合、ブースターケーブルなどでエンジンを始動し、そのまま走ればよいとは限りません。

オルタネーターが発電していなければ、走行中にエンジンが停止する可能性があります。

配線がショートしている場合は、発熱や発煙につながる恐れもあります。

何度もバッテリーを空にすると、新品バッテリーそのものも劣化します。

まずはバッテリーを交換した店舗へ連絡し、

「新品へ交換した翌朝、再び始動できなくなった」

と伝えてください。

そのうえで、

・現在のバッテリー電圧

・エンジン始動後の発電状態

・エンジン停止後の暗電流

・バッテリー端子とアース

・セルモーターの状態

・新品バッテリー本体の性能

を順番に確認する必要があります。

バッテリー交換で終わらせず、上がった原因を調べる

バッテリーには寿命があります。

数年間使用したバッテリーが弱り、交換時期を迎えるのは珍しいことではありません。

しかし、新品へ交換した直後に再び上がったのであれば、

「たまたま電気を消し忘れた」

だけで終わらせず、別の原因がないか確認した方がよいでしょう。

オルタネーターが発電していない。

どこかで電気を使い続けている。

端子や配線の接触が悪い。

セルモーターが故障している。

走行条件によって充電が不足している。

そして非常にまれではありますが、新品バッテリーそのものが不良だった。

新品へ交換したという事実だけで、バッテリーを容疑者から完全に外してはいけません。

車の故障診断で怖いのは、

「新品だから大丈夫」

「昨日交換したから壊れていない」

という思い込みです。

交換した部品も含めて一つずつ確認する。

遠回りに見えても、それが本当の原因へたどり着く最も確実な方法なのです。

休日しか車に乗らないと、やはり放電に対して充電が追いつかなくなります。そんな時はソーラーチャージャーを設置しておくのがおすすめです。

実際に車のバッテリーを意図的に上げてからこれで充電させ、再始動テストをしましたがかかりました。結構使えます。

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