軽自動車が高くなった…eKクロスは185万円から。もはや「軽=安い」とは言えない時代へ

軽自動車といえば、かつては「普通車より安く買える車」というイメージが強い存在でした。

もちろん税金や維持費など、現在でも軽自動車ならではのメリットはあります。

しかし最近、新車価格を見ていると驚かされることが増えてきました。

軽自動車そのものが、明らかに高くなってきているのです。

そのことを改めて実感させられたのが、2026年8月27日に発表された三菱eKクロスとeKワゴンの一部改良です。

eKクロスが185万6800円からに

今回、一部改良されたeKクロスの価格を見ると、G・2WDが185万6800円となっています。

この金額だけを見ると、

「今の軽自動車ならそれくらいするよね」

と思う人もいるかもしれません。

しかし、約1年前の価格と比べてみると印象が変わります。

2025年7月に一部改良されたとき、同じeKクロスのG・2WDは174万3500円でした。

2025年 174万3500円

2026年 185万6800円

差額は11万3300円です。

約1年で11万円以上、価格が上がったことになります。

eKワゴンも同様です。

2025年のM・2WDは146万8500円。

今回のM・2WDは154万3300円です。

こちらも7万4800円上昇しています。

もちろん、何も変わっていない車の価格だけを引き上げたわけではありません。

今回の改良では、後席に乗員や荷物が残っている可能性を知らせるリヤシートアラートが追加されました。

USBポートもType-AからType-Cへ変更。

さらにフロントカメラの画角を広げ、衝突被害軽減ブレーキの検知範囲も拡大されています。

装備や安全性能が向上しているため、単純に「11万円値上げした」とだけ表現するのは適切ではないでしょう。

それでも、わずか約1年間で同じグレードの価格を比較すると11万円以上違う。

これはなかなか大きな金額です。

ミライースも一部改良

そして同じ8月27日、ダイハツもミライースの一部改良を発表しました。

ミライースといえば、個人的には軽自動車の価格を考えるうえで非常に象徴的な車だと思っています。

ミライースはもともと「低燃費・低価格・省資源」を追求した車として登場しました。

今回の改良では最新エンジンやECUを採用し、2WDでは燃費性能を従来比約8%向上。

さらにスマートアシストも新しくなり、夜間歩行者や横断自転車などへの検知機能が強化されています。

こちらも単なる価格変更ではなく、車そのものが進化しています。

しかし、こうしたベーシックな軽自動車にも価格上昇の波が押し寄せていることは間違いありません。

昔の「100万円の軽自動車」という感覚ではなくなってきた

僕自身、長年自動車業界にいましたが、以前の軽自動車には、

「100万円前後で買える」

という感覚がありました。

もちろん当時でも上級グレードやターボ、4WDなどを選べば高くなりました。

それでも軽自動車の大きな魅力の一つは、普通車よりも購入しやすい価格だったと思います。

ところが今はどうでしょう。

eKクロスはエントリーとなるG・2WDでも185万6800円。

上級グレードになると200万円を超えます。

しかも実際に車を購入するときには、車両本体だけでは済みません。

オプションを付け、諸費用を加えていけば支払総額はさらに上がります。

「軽自動車なのに200万円」という言葉も、もはや珍しいものではなくなりました。

なぜ軽自動車はここまで高くなったのか

理由を一つだけに絞ることはできません。

原材料、物流、エネルギーなどのコスト上昇。

さらに現在の車には、昔の軽自動車にはなかった数多くの安全装備が求められています。

衝突被害軽減ブレーキをはじめ、カメラやセンサー、各種ECUなど、車に搭載される電子部品も増えました。

実際、ダイハツは2024年にミライースを一部改良した際、原材料価格やエネルギー、物流などの関連費用の高騰を踏まえてメーカー希望小売価格を改定すると明記していました。

つまりメーカーが単純に利益を増やすためだけに価格を上げている、と考えるのも違うでしょう。

車そのものに求められる性能が上がり、車を作って届けるためのコストも上がっています。

その積み重ねが車両価格に反映されていると考えるべきです。

これからは「新車を買って短期間で乗り換える」が難しくなる?

個人的に気になるのはここです。

軽自動車の価格がこのまま上がっていけば、ユーザーの車との付き合い方も変わってくるのではないでしょうか。

例えば以前なら、

「10年乗ったからそろそろ買い替えよう」

と考えていた人が、

「新車が200万円もするなら、もう一回車検を取ろう」

と考える。

これは十分あり得ると思います。

そうなると重要になるのが整備です。

新車価格が上がれば上がるほど、今乗っている車を長く使うことの経済的な意味が大きくなります。

10万円、20万円の修理が必要になったときも、

「そんなにかかるなら買い替えよう」

ではなく、

「新車を200万円で買うより直した方が安い」

という判断が増えてくるかもしれません。

これは整備業界にとっても無関係な話ではありません。

軽自動車はこれからどこまで高くなるのか

今回のeKクロスの価格を見て、僕が一番気になったのは一部改良の内容そのものよりこちらでした。

2025年に174万3500円だったG・2WDが、2026年には185万6800円。

約1年間で11万3300円の差です。

もちろん装備も進化しています。

安全性能も高くなっています。

今の軽自動車と20年前の軽自動車を、価格だけで単純比較することもできません。

それでも「軽自動車は安いから買う」という昔ながらの常識は、少しずつ変わってきているのではないでしょうか。

新車が高くなる。

すると今乗っている車を長く使う。

そのためにきちんと整備する。

これからの日本では、そんな車との付き合い方が今まで以上に重要になってくるのかもしれません。

軽自動車が200万円を超えても珍しくない時代。

数年後、「軽自動車はいくらから?」と聞かれたとき、僕たちはいくらを思い浮かべるようになっているのでしょうか。

新車が高くなった今、乗っている軽自動車の価値も確認しておきたい

新車価格がここまで上がってくると、もう一つ気になるのが「今乗っている軽自動車はいくらくらいの価値があるのか?」ということです。

軽自動車は中古車市場でも需要があります。

僕なら、新車への乗り換えを考える前に、まず今乗っている車の査定額を一度確認しておきます。

例えば新車が200万円近くしても、今の車に思った以上の査定額が付けば、実際に必要になる持ち出し額は変わってきます。

逆に査定額が低ければ、慌てて買い替えずに修理やメンテナンスをしながらもう数年乗る、という判断もできます。

「新車が高いから買い替えられない」と考える前に、まず現在の愛車がいくらになるのかを知っておく。

買い替えるにしても乗り続けるにしても、それから判断した方がいいと思います。

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