走行中、メーターに赤いバッテリーの形をした警告灯が点灯した。

「バッテリーが弱くなったのかな?」
「まだエンジンは動いているから、家まで帰れるだろう」
そう考える人もいるかもしれません。
しかし、走行中にバッテリーランプが点灯した場合、単なるバッテリー劣化ではなく、オルタネーターやベルトなどの充電系統に異常が起きている可能性があります。
この状態ではバッテリーへ充電されません。
エンジンが動いていたとしても、バッテリーに残っている電気だけを使って走っている可能性があるのです。
その電気を使い切れば、最終的にエンジンは停止します。
では、バッテリーランプが点灯してから、あと何km走れるのでしょうか?
結論は「分からない」です。
数km走れる場合もあれば、点灯して間もなく止まる場合もあります。
目次
バッテリーランプは充電系統の警告
バッテリーの形をしているため、バッテリー交換の時期を知らせるランプだと思われがちです。

しかし正確には、充電系統の異常を知らせる警告灯です。
主な原因には、
・オルタネーターの故障
・オルタネーターベルトの切断や緩み
・バッテリー端子の接触不良
・配線やコネクターの異常
・ヒューズや充電制御系統の不具合
などがあります。
オルタネーターが発電しなくなっても、バッテリーに電気が残っていれば、すぐにエンジンは止まりません。
普通に走れているように見えても、実際には残された電気を少しずつ消費している状態です。
FC3Sでは約5km走れた
僕が昔、RX-7のFC3Sに乗っていた頃、よくオルタネーターベルトが切れました。

ベルトが切れるとバッテリーランプが点灯します。
その瞬間から充電できなくなるため、警告灯に気づいたらすぐ家へ戻っていました。
僕の経験では、家まで約5kmの距離を走り切れたことがあります。
ただし、これは「ランプが点いても5kmなら走れる」という意味ではありません。
たまたまバッテリーに、それだけの電気が残っていただけです。
バッテリーが古い、夜間でヘッドライトを使っている、雨でワイパーを動かしているといった条件なら、もっと早く止まっていた可能性があります。
また、車種によっては切れたベルトがウォーターポンプなども駆動しています。その場合は充電できないだけでなく、オーバーヒートやハンドルが重くなるなど、別の異常が同時に起きることもあります。
8Vまで下がっても動いていた車
お客さんの車でも、同じような経験があります。

車を引き上げて自走している途中で、バッテリーランプが点灯していることに気づきました。
「これはまずい」と思いながらも、なんとか会社まで到着。
そこでバッテリー電圧を測ってみると、約8Vまで低下していました。
通常の12V車としては、かなり低い電圧です。
それでも不思議なことに、エンジンは動いていました。燃料ポンプやインジェクター、コンピューターなどが、その電圧でもなんとか作動していたのです。
しかし、あと少し電圧が下がれば、いつ止まってもおかしくない状態でした。
8Vまで動いたからといって、どの車も同じではありません。たしかプレオだったような気がします。
最近の車は、多数のコンピューターや電動パワーステアリングなどにも電気を使います。エンジンが止まる前に複数の警告灯が点いたり、ハンドルが重くなったりする可能性もあります。
走れる距離を予測できない理由
バッテリーランプ点灯後に走れる距離は、バッテリーの残量や劣化状態、車種、使用している電装品などで大きく変わります。

昼間と夜間でも条件は違います。
夜間はヘッドライトを使い、雨ならワイパー、寒ければヒーターやリヤデフォッガーも使います。
オルタネーターが完全に発電していないのか、発電量が低下しているだけなのかによっても変わります。
「あと10kmだから大丈夫」
「前は5km走れたから今回も走れる」
とは判断できません。
警告灯が点灯した時点で、停止までのカウントダウンが始まっていると考えた方が安全です。
点灯したら安全な場所へ停車する
走行中にバッテリーランプが点灯したら、速度を落とし、できるだけ早く安全な場所へ停車してください。

停車後は、ロードサービスや整備工場へ連絡するのが基本です。
エンジンを止めると再始動できない可能性がありますが、走行中に突然止まる方が危険です。
交差点、高速道路、踏切などで電気を使い切る前に、安全な場所へ退避することを優先してください。
エアコンやオーディオなどを切れば消費電力を抑えられますが、それは安全な場所へ移動するまでの緊急措置です。
夜間のヘッドライトや雨天時のワイパーなど、安全に必要な装備まで止めて走り続けてはいけません。
僕のFC3Sは約5km走れました。
お客さんの車は約8Vまで下がっても、会社へたどり着けました。
しかし、どちらも無事に到着できたのは結果論です。
バッテリーランプは「まだ走れる」という案内ではありません。
「このままでは突然止まるかもしれない」という、車からのSOSです。
あと何km走れるかを考えるのではなく、どこなら安全に止まれるかを考えてください。
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整備士として働いてきた約25年間の体験や、チームMHOを始めてから現在に至るまでの出来事を、noteで少しずつ書き始めました。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。